木材梱包材とISPM15
木製パレットや木枠を使う場合、多くの国で消毒処理と表示が求められます。処理方法とマークの見方を解説します。
01ISPM15とは
国際植物防疫条約(IPPC)が定める、木材梱包材の国際基準です。木材に潜む害虫が輸出入を通じて広がるのを防ぐ目的で設けられました。
対象になるのは木製パレット、木枠、クレート、すのこなど、貨物の梱包に使う木材です。合板・パーティクルボード・繊維板などの加工木材は対象外とされています。厚さ6mm以下の木材も除外されます。
02処理方法とマーク
認められている処理は主に2つです。
| HT(熱処理) | 木材の中心温度を一定時間以上、規定温度に保つ処理。現在の主流 |
|---|---|
| MB(臭化メチル燻蒸) | 燻蒸による処理。オゾン層保護の観点から使用を制限する国が増えている |
処理済みの木材にはIPPCマークが焼印などで表示されます。国コード、処理業者の登録番号、処理方法(HTまたはMB)が読み取れる形式です。
マークのない木材梱包材は、多くの国で受け入れられません。
03不適合だとどうなるか
仕向地で発見された場合、消毒・廃棄・積み戻しのいずれかを求められます。いずれも費用と日数が発生し、貨物本体まで影響を受けます。
オーストラリア・ニュージーランドは特に厳格で、木材だけでなくコンテナ内部の土砂や植物残渣も検査対象です。詳しくは各航路ページの注意点をご覧ください。
木材を避けるなら、プラスチックパレットやスチールパレット、加工木材のパレットという選択肢もあります。継続的に出荷するなら検討する価値があります。
FAQよくある質問
中古のパレットでもマークがあれば使えますか?
マークが読める状態であれば使えるのが原則です。ただし補修で未処理材が使われていると不適合になります。補修跡のあるパレットは注意が必要です。
処理はどこに頼めばよいですか?
各国の植物防疫機関に登録された処理業者が行います。日本では農林水産省の登録を受けた事業者です。梱包業者が対応していることも多いため、まずは梱包の依頼先にご確認ください。
紙や樹脂の梱包材なら不要ですか?
対象外です。段ボール、プラスチック、金属の梱包材にISPM15の処理は必要ありません。
この記事について
この記事はOCEAN FREIGHT JAPAN(SK株式会社)編集部が、国際輸送の実務経験と公的機関の一次情報をもとに作成・監修しています。内容は掲載時点の情報に基づくものであり、最新の法令・規則は各公的機関の公式情報をご確認ください。
本記事の内容は掲載時点の法令・規則に基づく一般的な情報です。個別の輸出可否や規制の該当性については、最新の公的情報および専門家(通関業者等)にご確認ください。