OCEAN FREIGHT JAPAN OCEAN FREIGHT JAPAN
貿易実務ガイド

インコタームズ2020の一覧と使い分け

費用と危険の負担がどこで移転するかを定めた国際規則です。11条件の一覧と、海上コンテナ輸送で実際に使われる条件の選び方を解説します。

執筆・編集:OCEAN FREIGHT JAPAN 編集部|最終更新日:2026年8月20日

01インコタームズとは

国際商業会議所(ICC)が定める貿易取引条件の規則です。売主と買主のどちらが輸送費用を負担するか、そして貨物の危険がどこで移転するかを3文字で表します。

最新版は2020年版で、2010年版のDATがDPUに置き換わったのが主な変更点です。契約書には「Incoterms 2020」のように版を明記します。

0211条件の一覧

すべての輸送手段に使える7条件と、海上輸送専用の4条件に分かれます。

EXW工場渡し。売主は自社の場所で引き渡すだけ
FCA運送人渡し。指定場所で運送人に引き渡す
CPT輸送費込み。売主が仕向地までの輸送費を負担
CIPCPTに保険を加えたもの
DAP仕向地持込み渡し。荷卸しは買主
DPU仕向地で荷卸しまで売主が行う(旧DAT)
DDP関税込み持込み渡し。売主の負担が最大
FAS船側渡し。海上輸送専用
FOB本船渡し。船に積んだ時点で危険が移転。海上輸送専用
CFR運賃込み。売主が海上運賃を負担。海上輸送専用
CIF運賃保険料込み。CFRに保険を加えたもの。海上輸送専用
インコタームズ2020の費用負担範囲と危険の移転点 EXW・FCA・FOB・CFR・CIF・DAP・DDPについて、売主が費用を負担する範囲を帯で、危険が買主へ移る位置を三角で示した図。CFRとCIFは費用が仕向港まで及ぶ一方、危険は船積み時点で移ることが読み取れる。 売主施設輸出通関船積海上輸送輸入通関仕向地EXWFCAFOBCFRCIFDAPDDP売主が費用を負担する範囲危険が買主へ移る点
CFRとCIFは費用の到達点(仕向港)と危険の移転点(船積み)がずれるのが要点です。売主は運賃を払いますが、海上で貨物が損傷しても危険は買主側にあります。

03コンテナ輸送でFOBを使うときの注意

FOB・CFR・CIFは本船の船上で危険が移転する条件です。在来船の時代に作られた規定で、貨物が船に積み込まれるまで売主が責任を負います。

ところがコンテナ輸送では、荷主はコンテナヤード(CY)に搬入した時点で貨物から手が離れます。CY搬入から船積みまでの期間、実際には管理できない貨物の危険を売主が負うことになり、規則と実態がずれます。

ICCはこの点を踏まえ、コンテナ輸送にはFCA・CPT・CIPの使用を推奨しています。実務ではFOB・CIFが慣習的に使われ続けていますが、リスクの所在は理解しておく必要があります。

FAQよくある質問

CIFとCFRの違いは?

保険の有無だけです。CFRは売主が海上運賃を負担し保険は買主が手配、CIFは売主が保険も付保します。危険の移転点はどちらも船積み時で同じです。

FOBとCIFはどちらが有利ですか?

立場によります。売主は運賃と保険を負担しないFOBが手離れが良く、買主は自分で船社を選べるFOBのほうが運賃をコントロールできます。輸送手配の主導権をどちらが持つかで決まります。

DDPは避けたほうがよいと聞きましたが?

売主が輸入国の関税・輸入通関まで負う条件で、その国に事業体がないと手続きできない場合があります。輸入者としての登録が必要な国も多いため、安易に使うと履行できなくなる恐れがあります。

この記事について

この記事はOCEAN FREIGHT JAPAN(SK株式会社)編集部が、国際輸送の実務経験と公的機関の一次情報をもとに作成・監修しています。内容は掲載時点の情報に基づくものであり、最新の法令・規則は各公的機関の公式情報をご確認ください。

40HCの海上輸送は当社にご相談ください

積地・揚地と貨物の内容をお知らせいただければ、複数船社のレートを比較してご提示します。アカウント登録は無料です。

無料で見積りする